偏った早期教育による弊害とは?

子どもに成長してほしい。
そんな想いを持つ親御さんが、小さいうちから子どもにたくさんの習い事をさせている様子を私のまわりでもよく見かけます。

でも僕は、あまり小さいうちから偏った早期教育をせず、遊びも含めた多様な教育が大事なのではないか?という意見を持っています。
今回はそんな話を、勉強とスポーツの両方の視点からお話しさせていただければと思います。
少々長くなりますが、ご興味がある方は最後までご覧ください!

では早速ですが、皆さんのまわりにも、「勉強ができるのに仕事ができない人」っていませんでしたか?
私も天王寺高校というところに通っていたのですが、学力で言えば大阪府内の公立高校で1、2を争う高校です。
なので、もちろん全員が学力に関しては申し分がありません。

しかし、どこか要領が悪かったり、大事な部分が欠けている人もたくさんいたなぁというのが正直な感想です。
そういう人達は、上記のような「勉強ができるのに仕事ができない人」になっているんじゃないかな?と想像してしまいます。

ではなぜ、「勉強はできるのに仕事ができない」というふうになってしまったのでしょうか?
少し疑問に感じて、調べていくうちにおもしろい内容を見つけました。

それは、脳を育てるのにも順序があり、「大人になるまでにその人の脳がどのような順序で育ってきたか」ということが大きく関係しているという内容でした。

その内容によると、脳には発達段階によって育つ順序があります。

10歳頃まではインプットするための脳がぐんぐん伸びる旬の時期。
見る・聞くなどのインプットするための脳のエリアは低年齢のうちからよく育つため、10歳までには「見る」「聞く」「動く」という体験をたくさん経験させて、インプットするための脳のエリアを開拓していくことが大切だそうです。
「見る」「聞く」「動く」という経験をたくさん積むのに一番いい方法は、いろんな友達とたくさん遊ぶことです。
いろんな友達と、いろんな会話をしながら、いろんな遊びをする!
10歳頃までは、それが何よりも一番大事なことだと考えます!

そして、思考や感情といったアウトプットするための脳のエリアは10歳以降にゆっくり時間をかけて育っていくとのこと。
勉強でいい点数をとるなどもインプットした知識をアウトプットする作業なんです。
小さいうちに、それが全くいらないなんてことはないと思いますが、そこに固執しすぎるのは危険だと私は思います。

「成績優秀な子に育てたい!」 、「周りの子より学習を進めたい!」 という親御さんの思いにより、幼い頃から、お勉強の塾とか英語教室などばかりになり、子ども達の大事な遊ぶ時間を奪っていませんか?

偏った早期教育や英才教育に必死になって、脳の育つ順序を考えず、早いうちからアウトプットをするための脳ばかり育てようとしてしまうと、脳の育つ順序が崩れてしまうかもしれません。
勉強をたくさんすることによって、一見「頭のいい子」として褒められることもあるかもしれませんが、将来、脳が育つ土台ができていないので、脳の発達が伸びていきません。
見る力、聞く力などのインプットする脳のエリアが未開拓のまま成長してしまうと、難しい知識だけが記憶に残っているあべこべな脳に育ってしまいます。
その事象がなぜ起こるのか、見たり聞いたりして自ら行動し物事を知ろうとする力が育っていないと、その後の問題解決をする力、行動する力には結びつかないのです。

次はスポーツの視点から。
勉強だけじゃなく、スポーツでも偏った早期教育は子どもの成長に弊害になる恐れがあると個人的には感じています。

小さいうちから一つのスポーツに打ち込んでいれば、その分野に関しては、まわりの子よりも優位に立てるでしょう。
「子どもに自信をつけさせてあげたい」という親御さんの思いもあるとは思いますが、一つのことばかりさせてしまい下手に優位性を感じさせてしまうと、その立場を守ろうとする危険性が出てきます。
どういうことかというと、自分はできる人間という立場を守ろうとして、自分が得意なこと以外にはチャレンジしようとしなくなったり、失敗しそうなことはやらない子に育ってしまうのです。
僕のまわりにも、結構そういう人が思い浮かびます。
自分の好きなこと以外やらない子の背景には、小さいころに下手に何か一つのことに自信を持たせてしまったことで、その立場を守ろうとする気持ちが働いているのでは?そんな風にも感じてしまうのです。
これに関しては、統計があったりするわけではないので、完全に私の主観なのですが共感してもらえる方もいるのではないでしょうか?

だから私は、小さい時は勉強もスポーツもとにかく一つのことに集中させすぎず、失敗してもいいからとにかくいろんなことを経験させてあげる。そしていろんなことに興味を持たせる。
そうすれば、どんなことに対しても成長したい!という気持ちが芽生え、何事にも前向きに努力できるようになるのでは?と考えています。

長くなりましたが、あまり小さいうちから偏った早期教育をせず、遊びも含めた多様な教育が大事なのではないか?というお話でした。

最後までご覧いただきありがとうございました!