勉強が必要な理由その2
今回も前回に引き続き、「なぜ勉強が必要なのか。」について私の考えを述べていきます。
前回の記事で、勉強が必要な理由については大きく2つあり、
①人生の選択肢を増やすため。
②抽象化能力を向上させるため。
だという私の考えをお話ししました。
そして今日は2つ目の「抽象化能力を向上させるため。」についても詳しく述べていきます。
抽象化能力とは簡単に言えば、物事の本質(大事なことは何なのか)を見抜く力です。
これは勉強をしてきたかどうかで本当に差が出るなと感じています。
私の友人に、某有名企業の面接官として就活生を採点したことがあるという友人がいるのですが、その友人は先入観を持たないために、あえて学歴は見ずに面接の採点をしたそうです。
すると、結果的に点数がよく、的を得た意見を言えているのは、ほとんど有名大学卒の学生ばかりだったそうです。
面接で気の利いた回答をするには、面接官の質問を聞いて、面接官が何を知りたがっているのかという「本質」を見抜かなければいけません。
勉強をしてこなかった人は、高い確率でこれができないんです。
私もいろんな子ども達に勉強を教えていますが、数学を教えているときが顕著に表れます。
数学が苦手な子は、数字が変わったり、少し計算式が複雑になっただけで、まったく別の問題を解いているような感覚で解いてしまいます。
ですが、数学ができる子は「結局○○が組み合わさっているだけでやり方は同じやん。」と問題の本質を見抜いて解くことができます。
そして、この抽象化能力は決して生まれつきのものではありません。
最初は数学が苦手だった子も、やっていくうちにこの抽象化能力を身につけていくのです。
だから勉強に向き合うことは大事なんです。
また、現在はありとあらゆる情報が溢れています。
アスリートを目指す子ども達にとっても、この情報をうまく取捨選択できるかどうかによって、成長速度に天と地の差が生まれます。
だから私は、将来プロアスリートを目指す子ども達にも、しっかり勉強はしなさいと伝えているのです。
もちろんケガをしてしまった時や、夢が叶わなかったときの保険としての意味合いもありますが、パフォーマンスアップを目指すうえでも、この「抽象化能力」は必須だと考えるからです。
スポーツしかしてこなかった多くのアスリートは、自分の課題の本質を見抜けないから、無駄な努力に多くの時間を費やしてしまいます。
また、これまで自分のセンスや身体能力のみに頼っていた選手で勉強をしてこなかった選手は、壁にぶつかったときにそれを打開する術を見つけられずに挫折する人が多い印象です。
ですが、例えば大谷翔平選手のように勉強にも手を抜いてこなかった選手は、自分の課題をクリアしていくためには何が必要なのかという「本質」を見抜く抽象化能力があるからこそ、あそこまでの結果を出せているのだと思います。
世間では、勉強をする理由が「人生の選択肢を増やすための“学歴”を得るため」という部分ばかりがフォーカスされているように感じますが、私個人的には、今回お話しした「抽象化能力(物事の本質を見抜く力)を向上させるため」という部分が生きていくうえで非常に重要だと感じています。
そして実際に、社会に出てからいろんな人たちと会話をしていると、勉強にも向き合ってきた人たちの方が高確率でこの能力が高いと感じております。
だからこそ私は子ども達がどんな将来を目指すにしても、勉強の必要性は伝え続けたいと思います。